2018年 第3回学術集会会長 挨拶


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ご挨拶

 第3回日本メディカルイラストレーション学会学術集会・総会を2018年12月2日、 東京工科大学蒲田キャンパスで開催させていただきます。
 今回は東京での開催希望が高まる中、幸いにも、東京工科大学医療保健学部臨床工学科・学科長の篠原一彦先生をはじめ、 医療保健・デザイン両学部長のご支援、同大学職員の方々のご尽力をいただき、東京開催が実現いたしました。
 この場をお借りして謹んで感謝を述べさせて頂きます。

 本学会も発足して今年で早や3回目の学術集会を迎えることとなりましたが、まだまだ、試行錯誤の連続で、 諸事定まらぬことも多く、模索の日々が続いています。
 それでも第2回までの総論的な集会から、徐々に各論に向かって議論を深める方向で進みつつあると思います。

 メディカルイラストレーションは「学」「学問」としての研究の対象という特性だけではなく、 実際の「業」「業種」としての役割を持っています。
 その活動の大きなフィールドの一つが出版であり、都市部、特に東京に活動の場が集中しています。
 人の住むところにはすべからく医療施設は必要とされるもので、各地域の基幹となる医療機関は全国主要都市に遍在しますが、 一方で出版関連は東京、大阪といった大都市部に集中しています。 その為に医学出版関係にイラストを供給するメディカルイラストレーターも、おのずと大都市に偏在して制作活動を行なうことが多くなります。
 この現状をもってしても、このたび初めて東京の地で開催できることを好機と捉え、 集会のテーマを「メディカルイラストレーションと出版 メディアとの未来を考える」としました。

 古くは画像情報を少しでも多くの読者の手元に送り届けるために、版画技術などを駆使したのが始まりでしょう。 それから数百年の時を経て、今日では高度に発達した印刷技術、出版流通システムに加え、 電子メディアも一般的に使われるようになり、だれでも、いつでも画像情報を授受できるようになってきました。

 これからますます情報の電子化が進み、すでにオールドメディアとなった紙媒体の将来を憂うる声もあります。
 しかし、静止画像・オールドメディアと、先端的な表現技術・情報伝達技術(Information Communication Technology[ICT]) としての3DCG・VR・ARなどの様々な手法とは、相互排他的な関係ではなく、相互に補完し合い、 共存することにより表現・コミュニケーションの幅を広げる関係と考えます。
 実際にVRの開発・利用の現場ではメディカルイラストレーションとの共同化が求められ始めています。
 この様な立脚点から、メディカルイラストレーションが出版の歴史と共に積み重ねてきた技術、経験、 そして現状で抱えている多くの問題も含め、一度冷静に総括できる機会にしたいと考えたのです。

 会場となる東京工科大学は、工学部、コンピュータサイエンス学部、メディア学部、応用生物学部、デザイン学部、医療保健学部などを擁しています。
 それらすべてがメディカルイラストレーションと深く関連し、活動を支える学問分野であり、同大学での開催は私たちの活動のための第二の拠点を得た思いです。
 この地で今回のテーマに添った議論を深め、新たな時代に進むべき道を探るきっかけになれば幸いです。

    日本メディカルイラストレーション学会 第3回学術集会会長  佐藤良孝