日本メディカルイラストレーション学会(Japanese Society of Medical Illustration / JSMi)は、医療分野で活躍されてきたイラストレーター、メディカルイラストレーション(Mi)を必要とする医療者たちが中心となり、2017年12月に満を持して設立されました。その趣意は学術研究・教育、会員の相互交流、知財権の研究事業を通じて、メディカルイラストレーターの養成に加え、Miの発展・普及、医療の向上に寄与することですが、この6年間で、当学会の礎はある程度、築けたでしょうか。
Miというと、解剖学的にわかりやすく美しい絵、というイメージがあるかもしれませんが、医療業界におけるイラストレーションは、3次元モデル、動画やアニメーション、コンセプトを示すカトゥーン(漫画)から、バーチャルリアリティ(VR)など、医療施術を助けるあらゆるメディア・ツールがこれにあたります。近年、革新的な進歩を見た、ロボット手術やその遠隔操作への応用、ナヴィゲーション支援下手術、外視鏡を用いた外科手技など、安全なリアル可視化を持ち込んできた技術はすべてMiの延長線上にあるものです。
多職種がかかわる学会は他にもありますが、医療界におけるMiの必要性、有用性を訴えて、医療の進歩を業界に広く知らしめる芸術家集団たることが、さらなる目標です。前会長からの「Ars longa, vita brevis (芸術は長く、人生は短い)」(ヒポクラテス)の言葉を引き継ぎ、第二ステージに進んでいきたいと考えています。
本会学術集会は発表・聴講主体のものではなく、メディカルイラストレーターのための活動活性・高揚のための集まりであり、楽しく技術を学び、交わりを深めつつ、その真髄を追及していく場です。Miに少しでも興味をお持ちの同志の皆さま、経験の長短などに関わらず、気軽にJSMiにご参加ください。Miの進歩の現場に立って、歴史を変える経験を一緒にいたしましょう。